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コーヒー1杯のリアル。原材料費は30.3円、原価60.6円、カフェ原価は279.2円

巷ではコーヒーの原価が20円だとか30円だとかよく言われますよね?スタバなんかに行くと500円もするコーヒーを飲む人がたくさんいます。

「原価が20円のものによくそんなにお金出せるよね?ぼったくりじゃないの?」

という否定的な意見が聞こえてきそうな気がします。

コーヒーにハマった自分も、実はいつも焙煎して飲むコーヒーにいくらかかっているのか正確には知りません。

原価がそんなに安くないような気がするけどなぁ、と思いながら実際にいつも焙煎抽出する環境でいくらかかっているのか、細かく見ていくことにしました。

結論から言うと、家で飲むコーヒーは1杯60.6円(原材料費はちょうど半分の30.3円)が必要だということがわかりました。

どう計算していったのか、紹介していきます。

目次

前提条件

コーヒー1杯の定義をここで簡単にしておこう。

一般的には、コーヒー1杯10グラムの豆で150ミリリットルで抽出するそうです。

私自身は20グラム280ミリリットルで抽出するので、これでは少し物足りないけど、今回は10グラムの豆で抽出する量を1杯とします。

つまり、焙煎後の豆10グラムが原材料価格になります。

原材料費は30.3円

それではまず豆を購入してみましょう。

生豆を楽天で2キログラム購入します。この豆の購入理由としては送料無料、アラビカ種の中で割と安い、おいしいといったところです。5㎏とか10㎏購入できればもう少し安いのですが、2㎏くらいでも少し多いくらいです。

ルビーマウンテン5003円

https://item.rakuten.co.jp/daisen-coffee/coffee-101-1kg/?variantId=coffee-101-green-2kg&s-id=ph_pc_itemname

以前はもう少し安かったように思いますが、インフレのバカヤロー、ですね。

いろんなものがどんどん高くなってます。

生豆は焙煎すると減少する

ではこれを計算すると、原材料費が25円になる!と言うのは、早計で、実は焙煎すると約15%ほど豆が少なくなってしまうのです。

今回400gをやや深めまで焙煎して、330gまで減ってしまいました。

この豆が10gで30.3円です。

項目金額計算式・備考
生豆の仕入れ価格約2.5円/g2,000gで5,003円
1焙煎(生豆400g)の豆代1,000円400g × 2.5円
焙煎豆の単価(目減り後)約3.03円/g1,000円 ÷ 330g(焙煎後の重量)
【1杯(10g)の豆原価】30.3円3.03円 × 10g

コーヒーと同じ原価のコンタクトレンズ

たった30円のもののためにまで、スタバなどでおしゃれなところだと500円も600円もするようなコーヒーになってしまうんだろう?

といった疑問を持つのも仕方がないと思います。

余談ではありますが、私自身目が悪くないので、コンタクトレンズをしていません。

コンタクトレンズの原価は30円らしいですね。

コーヒーと全く同じ原価ですが、コンタクトレンズをさらに高く数千円もします。さらに高い。なのに、コンタクトの原材料費に対しては誰も文句を言わない。

コンタクトレンズとコーヒーの違い

なぜ私たちは、味の違いがプロのように分かるわけでもないのに、1杯のコーヒーに数百円を払ってカフェに行くのでしょうか?

たとえばコンタクトレンズであれば、お金を払う理由は明確です。

視力0.1の世界が1.0になるという、誰もが確実に実感できる「ハッキリと目に見える効果」があるからです。これは完全な「機能」に対する投資です。

一方、コーヒーの価値は極めて曖昧です。コンタクトレンズのように「高ければ高いほど効果(味)が良い」という明確な方程式は成り立ちません。

1杯数千円の希少な高級豆の酸味よりも、スーパーで買った数十円のいつもの深煎り豆のほうが「おいしい」と感じることだってあるかもしれません。

「よく見える」という機能は誰から見ても理解されますが、その1杯の体験にお金を払っているとなると、誰にでも理解できるものではありません。

なので、コーヒー1杯に500円も支払うのは理解できなくても不思議ではありません。

でも、店で飲む場合、原材料費だけ支払うから、コーヒー飲ませてよ、なんていう人は客じゃありませんよね。コーヒー作るために原材料しかいらないと思ってんの?と原価厨に言いたくなります。

カフェのコーヒー代の多くは、豆の値段ではなく、場所代や人件費といった「目に見えないもの」に支払われています。だからこそ、表面的な原材料費だけを見て「高い」と判断するのは少しもったいない気がします。

では、そういった場所代や人件費が一切かからない「自宅」ならどうでしょうか。 単純に「コーヒー豆の値段=1杯の原価」になるかと思いきや、実はそうではありません。

自宅で淹れる場合でも、美味しいコーヒーを抽出するためには、豆以外にも見落としがちな様々なコストがかかっています。まずは、自宅で淹れた場合にかかる「豆以外のリアルな諸経費」から計算してみましょう。

自宅で飲む場合の諸経費

私は趣味でコーヒーの焙煎をやっているので、機材がやや高めなのはご承知ください。

今回の焙煎、抽出に使用した器具と購入金額をとりあえず出してみました。

コーヒーミル    コマンダンテC40  44800円
キャニスター    649円
焙煎機       Sandbox R2 338000円
焙煎クーラー    JIAWANSHUNコーヒークーラー 8938円
コーヒースプーン  1100円
キッチンスケーラー ハリオコーヒースケーラー4399円
抽出器具      ハリオV60 420円
グラス       BODUM250ml 707円
電気ケトル     山善電気ケトル 7480円
フィルター     ハリオV60ペーパーフィルター1枚 3.4円
水のフィルター   JF-20-T 993.3円

あとは電気代と水道代ですね。

ざっくりと器具の寿命を考え、1回あたりの抽出にかかる費用を出します。

キャニスター、コーヒースプーン、キッチンスケーラー、コーヒークーラー、グラス、抽出器具、電気ケトルは大体5年弱持つとして、1500日。


焙煎機は家庭用なので、1000回焙煎したら故障すると思います。毎日焙煎しても2年半です。

ちょっと短い予想かもしれませんが私的には妥当だと思います。

焙煎機は一度に550gまで焙煎できますが、400gあたりが一番いい量なので400gとして、330gの豆ができるとします。

あと水のフィルターは1000リットルで交換とします。

電気代の計算はややこしいのでざっくりAIに聞いてみます。

項目名単価・条件割る回数・量1杯あたりの金額
コーヒーミル (コマンダンテ)44,800円10,000回4.5円
焙煎機 (Sandbox R2)338,000円33,000杯 (1,000回×33杯)10.2円
コーヒークーラー8,938円33,000杯 (1,000回×33杯)0.3円
電気ケトル7,480円1,500回5.0円
キッチンスケール4,399円1,500回2.9円
コーヒースプーン1,100円1,500回0.7円
グラス707円1,500回0.5円
キャニスター649円1,500回0.4円
抽出器具 (V60)420円1,500回0.3円
ペーパーフィルター3.4円1回(使い捨て)3.4円
水のフィルター993.3円1,000L(1回0.3L使用)0.3円
水代・電気代(ケトル・焙煎)各種単価より1杯分の使用量1.8円
【自宅での諸経費 合計】30.3円

全く意図していませんでしたが、焙煎後の豆と全く同じ数字になりました砂糖やミルクなどを入れるともう少し高くなりそうですが、最近はブラックで飲めるようになったので、経費には入れていません。

こう見ると、コマンダンテと焙煎機が高いですね。電気ケトル、ペーパーフィルターもそこそこ高いですね。

人によかもしれませんが、自宅でのアラビカコーヒーを1杯飲む場合の値段はこんなものだと思います。

30.3円(原材料費) + 30.3円(焙煎・抽出経費) = 60.6円

店舗で飲む場合

人件費を考える

道具を用意したって、入れてくれる人がいなければコーヒーは飲めません。

家で飲んでいるコーヒーを店舗で出す場合を考えます。

熟練のバリスタが時給1200円でただひたすらドリップしている店舗を考えます。1時間に30杯入れることができますが、ハンドドリップだとそこが限界なのでレジはできません。

もう一人レジの人を最低時給の1080円で雇います。

熟練バリスタが手挽きミルのコマンダンテで豆を恐ろしい速さで挽いていると思うと笑ってしまいますが、実際は電動ミルがあるのと変わらないレベルだと思います。

項目名時給1時間あたりの提供杯数1杯あたりの金額
バリスタ人件費1,200円30杯40.0円
レジ担当人件費1,080円30杯36.0円
【人件費 合計】2,280円/時30杯76.0円

もちろん、異論は認めます。ほかにケーキや軽食などで単価を上げることができるはずですが、あくまで原価の安いコーヒーのみで勝負です。

30.3円(原材料費) + 30.3円(焙煎・抽出費) + 76.0円(人件費) = 136.6円

おっと、100円を超えましたね。

さらに土地代

10坪の店舗で月10万円で敷金礼金無し!破格の条件ですね。

朝10時から夜6時までの8時間の週6営業!

この過酷な業務に耐えれるレベルの筋肉を持つアームレスラーバリスタがいるとします。

項目名月額・条件1ヶ月の提供杯数1杯あたりの金額
家賃(土地代)100,000円5,760杯17.4円

これをさらに足すと

30.3円(原材料費) + 30.3円(焙煎・抽出費) + 76.0円(人件費)  + 17.4円 = 154.0円

店舗改装費

どんな店舗かわかりませんが、いきなりカフェを営業できることはないでしょうから、ある程度の改装が必要になると考えます。

人坪当たり20~100万円くらいが相場らしいので、200万円かかったとします。

改装した場合10年間は問題なく使用できるとすると

項目名金額10年間の総提供杯数1杯あたりの改装費
店舗改装費2,000,000円691,200杯2.9円

案外安いですね。

これを足すと

30.3円(原材料費) + 30.3円(焙煎・抽出費) + 76.0円(人件費)  + 17.4円 + 2.9円 = 156.9円

となり、1杯150円になりました。

が一つ問題が・・・出した条件で、コーヒー1杯400円(スタバの一番安いコーヒーの値段)で計算すると247万円になりますから、ちょっとすごすぎます。

ちょっと妄想が過ぎるシミュレーションになっているということですね。

条件を少し厳しくしてみる

実際にこの半分のお客さんでも十分に繁盛店ではないでしょうか。

個人経営のコーヒーショップやカフェは月間売り上げ100万円が大きな基準とされています。

もう少し条件を厳しくして、家賃20万円、改装費500万円として、1時間に15杯販売されるとします。

項目1杯あたりの金額内訳・備考
コーヒー豆原価30.3円ルビーマウンテン(焙煎目減り考慮済)
焙煎+抽出諸経費30.3円自宅と同じ設備・光熱費
人件費152.0円時給計2280円 / 1時間15杯ペース
家賃(土地代)52.1円月15万 / 月2,880杯で分割
店舗改装費14.5円500万円 / 10年(34.5万杯)償却
【店舗での完全原価】279.2円

まとめ

自宅で抽出まではかなり詳細に書けたのですが、カフェ営業をしたことがありませんので、どうしてもざっくりの試算になってしまいました。ドリップコーヒーしか商品がないので、カフェというよりコーヒースタンドですね。

固定費をそのままコーヒーの原価に入れたり、通常の簿記ではしない計算方法を使用していますので、ツッコミどころの多い記事になってしまいました。

また、コーヒー豆販売や、軽食などを取り入れるともっと違った計算になると思いますので、参考程度に考えてください。

しかし、原価(実際は原材料費)だけを見て、コーヒーなんて安いのにぼったくりだという人に、そんなに安くはないぞ!とどうしても言いたかったのです。

特にインベスターZの作者よ、原価と原材料費をごっちゃにして、堂々とそれっぽいことを言うな!と。

ただ漫画は面白いので全部読みましたが。

疑問と改めての驚き

でもこう考えると、缶コーヒーやコンビニのコーヒーなどはどうやって原価を抑えているんだろう考えさせられます。

大量購入による値引きや、ロブスタ種(安くてあまりおいしくない)を混ぜてうまく味を調整しているのでしょうか?

それにしても安い、安すぎる!あの安さであのおいしさは本当にすごいなと思います。

まあ今回は安い缶コーヒー並みの値段で、アラビカ種のコーヒーを飲めていることが分かったので良かったです。でも、趣味でカフェ営業をするとかなり厳しそうなことも予想できたので、これはこれで収穫でした。

それでは皆さん、楽しいコーヒータイムを。

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この記事を書いた人

40代、妻子持ち、住宅ローンがっつりの自営業者です。

この場所は、私の好きなものと日々の思考を詰め込んだ、いわば「デジタルな書斎」です。

・こだわりの豆を自分で焙煎する、コーヒーの時間

・新しい知識や視点を与えてくれる、読書の時間

・日々の生活や仕事、趣味の試行錯誤を記す、雑記の時間

特定の枠にとらわれず、その時々の「自分」を素直に書き残していきたいと思っています。どうぞ、肩の力を抜いてお付き合いください。

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