イタリアのエスプレッソマシーンLa Pavoniのジャンクを購入しました。パッキンを取り換えればとりあえず動くのではないかと思い、65000円で購入しました。
来てみてビックリ。
ボイラーの中に大量の水が入ったままになっており、段ボールはビショビショ。明らかに水漏れを起こしているのは間違いない。しかも横置きにされており、段ボールに穴が開いていました。
梱包は丁寧にしますと書いてあったので、クレームを入れたら、こっちに悪い評価が付いてしまい、非常に残念でした。ヤフオクは魔窟ですね。
さて、段ボールから取り出したLa Pavoni Professional、正面から見るとレバーが向かって左側に回転していました。

これはもしかすると、ボイラーを取り外そうとして、取れなかったからそのままジャンクってことで売られていたのでは?と直感的に理解。
絶対に外す専用の器具があるはず!
と探してみるとcoffee sensorという海外のショップに
La Pavoni Boiler Ring or Flange Ultimate removal tool
という取り外すための頑丈そうな工具がありました。
70ユーロ。配送費30ユーロ。合計約2万円。
うーん、ケチって6万5千円で買ったのにこれで高い機材を買っちゃったら、何をしているのかわからん。DIYしよう。と決心。
ということで今回は、海外製の高価な専用工具(約2万円)を買わずに、ホームセンターの材料だけで、びくともしない固着したボイラーリングをやっつけた戦いの記録です。
DIYによる怪我やマシンの破損については責任を負いかねますのでご注意ください。
For English Speakers: I bought a “junk” La Pavoni Professional on an auction site, but the boiler flange (ring) was completely frozen. Instead of buying the expensive €70(+€30) removal tool, I successfully removed it using a cheap DIY PVC tool. Here is the step-by-step guide.
Disclaimer: Please attempt this at your own risk. I am not responsible for any damage to your machine or any injuries sustained during the process. Using penetrating oils (like Penetrating Lubricant) on food-grade equipment is also at your own discretion.
前哨戦
確認のため、カバーを開けました。2012年2月製造のようです。

さらに配線も取り、ベースとボイラー、ボイラーリングだけの状態にしました。
グリップ力の高い手袋を購入し、装備。ダメ元でボイラーとボイラーリングを思い切り握って回してみたけど、全く外れない。
次にアマゾンでラスペネを購入し(食品系の機械に使っていいのか不明)数時間おきにスプレーして2日後にトライするが、全くびくともしない。
1回目のチャレンジ
近所のホームセンターに行って材料を探してみたけど良いのがありません。
鉄のパイプで内径が8.5㎝以上ってあんまりないんですね。アマゾンでエヌティエヌ(NTN) ニードルベアリング を見つけましたが、どうやらめっちゃ硬くて、素人は加工が難しそうなうえ、やや高価だったので、悩んだ末にやめました。
次に見つけたのがこんなやつ。
水道管の継手ですね。これを加工して、底部のボイラーリングに合わせて、曲がっているところをハンマーでたたけば取れるのではないかと。
のこぎりとヤスリで溝を作成し、うまくボイラーリングにハマったところで、衝撃を加えるためハンマーで思いっきりたたく!
結果、塩ビパイプが割れて使い物にならなくなりました。写真がないのが残念です。
2回目のチャレンジ
La Pavoni Boiler Ring or Flange Ultimate removal toolを参考に、今度はまっすぐの塩ビパイプを200円程度出してホームセンターで買ってきました。
なんせ安いので失敗しても怖くない。
ただし材料をそろえたり、加工してると結構時間がかかるので、休日1日がすべて潰れてしまいます。子供そっちのけで頑張っていたら、
「そんなに時間かかるなら、買った方がいいんじゃない?」
と奥さんに言われる始末。安いんだったらすぐに買うんだけどね。
エスプレッソマシーンに65000円払っていることも言っていなければ、工具が2万円もすることも言っていないので、ばれたら絶対買っちゃダメと言われそう。もう少し頑張ってみるよ、と続けました。
2号機を作成。La Pavoni Boiler Ring or Flange Ultimate removal toolのように穴をあけて、そこに金属の棒を入れて回すように考えました。
溝を作るときは金属やすりより、万能やすりが早く削れてよい感じでした。のこぎりは使わなくてよかったです。できれば直線と曲線のやすりを用意した方が良いですね。
金属の棒も200円くらいでした。太さは12㎜程度だったので、太い金属用ドリルで穴開けするのが良いと思います。
合計500程度の材料で行けるか?とボイラーリングにはめて力いっぱい回しましたが、うまくいきません。
ちょっと怖いけど、金属棒をハンマーで強くたたいてみると、
「バキッ!」
上手くいったか?と思うまでもなく、ねずみ色の破片が飛んでいくところを確認しました。
またまた失敗です。2号機が残っていたのでアップします。


塩ビパイプだと強度が足りないのかもしれない。
GEMINIに聞いてみる
GEMINIさんは金属のプレートで正三角形を作り、それをネジで固定して回せと言っていました。
それをやってみようと思いましたが・・・最悪ねじが折れたり、ボイラーリングが破損するような、取り返しがつかないことが起こるかも、と思い直し、もう一度塩ビパイプを買ってきました。

ちなみに嫌な予感がしたのは。ボイラーリングに欠けがあったからです。

前の持ち主が力ずくで回そうとしたときに、割れてしまったのかもしれない。もしかするとボイラーリングは金属だが、案外割れやすいのかもしれないと思い、ネジ穴を使って回す方法は最後の手段に取っておこうと思いました。
ちなみにホームセンターではネジは安かったので、念のため買っておきました。
3度目の挑戦
前回はボイラーリングと塩ビパイプが図のように歪んでいて、力の入り加減が偏ったため割れてしまったのかもしれない。と思い、かなり正確に切り出しました。

2回目の挑戦で、ボイラー側をうまく固定できていないことも原因の一つだと気が付いたので、ボイラーを固定するためのゴムとベルトレンチを購入。2本で4000円ほどしましたが、今確認するとアマゾンならもっと安かったです。
写真のように固定しました。






Crucial: Secure the boiler with two strap wrenches and rubber sheets.
あとは温めるといいと書いてあったので、3分ほどボイラーリングをドライヤーで温めました。
ボイラーリングは素手で触るとやけどするレベルでしたが、ボイラー側はゴムを巻いていることともあり、やや暖かい~熱いかな、という程度でした。
力いっぱい回してみるけど、やっぱりうまくいきません。
仕方がないから、木槌で鉄の棒を軽くコンコンとたたくと、
「パキッ」
という音ともにパイプが動き出した!
「しまったまた強くたたきすぎて割れてしまったか?」
と思い確認すると、しっかりリングだけが回っていました。
「よっしゃー!10時間くらいかけてようやく成功!」
こんなにうれしかったのは久しぶりでしたね。
パイプやヤスリ、ベルトレンチなどいろいろと購入したのに、もしうまくいかなかったら結局大損だしそもそもうまくいくんだろうか。と不安にもなっていた分、達成感は思ったよりすごかったです。
まとめ
必要なもの一覧
- ボイラーリングの内側の外径(85.5㎜)よりもわずかに大きいパイプ(日本では水道パイプ接手(NO75))
- 金属の棒
- 万能やすり(幅1㎝程度)
- ベルトレンチ2本
- ボイラーを固定する滑り止めのゴム
- 木槌かゴム槌
- ドライヤー
- (ラスペネ)
ボイラーリングの写真と大きさも載せますので参考にしてください。





CADで書いた正確な図ではありませんが、ボイラーリングの平面図を参考に、パイプの加工時にどこを削るかの参考にしてください。

Reference: Boiler Flange dimensions and PVC notch positions. Note: The angles and positions are accurate, but the printed size may vary depending on your printer settings. Please use this as a layout guide to ensure the three notches are carved at equal 120-degree intervals. While the notches should be carved for a snug fit, a slight gap between the pipe’s inner diameter and the flange is inevitable. This can cause the rotational axis to shift, putting uneven pressure on the PVC and increasing the risk of it cracking. Please ensure the tool is perfectly centered before applying force.
3つのネジがあるところはちょうど正三角形の頂点で、偏りはありませんでした。
ボイラーリングとパイプの間には1~2㎜程度の隙間ができますが、正確にパイプを削らないと、パイプとボイラーリングが同心円にならず、回すときに力のずれが発生し、パイプが割れやすくなるので、注意しましょう。
3つの突起以外にも2つの小さな突起があるので、ボイラーリングに重ねて、やすりで少し削ると良いです。

ラスペネはもしかすると効果があるかもしれませんが、口に入る可能性があるので、自己責任でお願いします。
成功のポイント(Key Steps)
ヒート&ショック: ドライヤーで3分温め、金属棒を木槌で軽く「コンコン」と叩く
正確な溝切り: ボイラーリングの3つの突起に完璧にフィットするよう、ヤスリで慎重に削る。
鉄壁の固定: 滑り止めゴムとベルトレンチ2本を使い、ボイラーが回らないよう太ももで固定。
4. 英語での要約(English Summary for Global Owners)
Step-by-Step Removal Guide:
- Fabricate the Tool: Fabricate the Tool: Use a PVC pipe (Internal Diameter should be approx 86-89mm to fit over the 85.5mm flange).Cut three precise notches to match the boiler ring tabs.
- Drill & Insert: Drill a hole through the pipe and insert a 12mm steel rod for leverage.
- Secure the Boiler: This is crucial. Use two strap wrenches and rubber sheets to hold the boiler body firmly.
- Apply Heat: Warm the ring area with a hair dryer for 3 minutes to expand the metal slightly.
- The Turning Point: Don’t use brute force. Tap the steel rod gently with a wooden mallet. You will hear a “pop” when the scale breaks and the ring starts to move.
Total Cost: Around 500 JPY ($4 USD) for the PVC part!
