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三浦春馬とトランプ陰謀論を信じた私が『隣の陰謀論』を読んで行き着いた「一つの結論」

朝井リョウさんの「イン・ザ・メガチャーチ」を読んで、久しぶりに陰謀論を思い出してしまった。

そもそもなんで陰謀論なんかにハマってしまい、三浦春馬さんや竹内結子さんがディープステートに暗殺されたんだ、と本気で信じていましたが、それは本当だったのか?

トランプの落選で陰謀論から目を覚ましたのっさんですが、2度とハマらないようにしようと思い、烏谷昌幸さんの『隣の陰謀論』を手に取ってみました。

いつもは紙の文章で読みますが、オーディブルがタダだったので、そちらを利用することにしました。

まだ聞いていない人はこちらから→隣の陰謀論

すっかり目が覚めたと思っていた陰謀論ですが、まだまだ目覚めていなかったことに改めて気が付き、この問題の根の深さにビックリしています。

それでは感想と考察をしていきたいと思います。

目次

なぜ陰謀論にハマってしまったのか?

私の体験で言えば2019年あたりからずっとyoutubeの「虎ノ門ニュース」を聞いていました。

武田邦彦先生や高橋洋一先生、今は衆議院議員の百田尚樹先生など、いわゆる右派の論客は非常に論理だてて今の政治の欠点をズバズバ言い当ててくれて、見ていて楽しかったことを覚えています。

それと同時にNHKや朝日新聞は左派のメディアで、自分たちにとって非常に都合の良い情報ばかりを流している。

と連日口をそろえて虎ノ門ニュースの出演者たちがおっしゃっていました。

テレビのニュースを見るときには、データがどこかうさん臭く切り取られていて、キャスターもスポンサーに忖度しながら意見を述べ、右派の人たちより、論理があいまいだな、と思っていました。

虎ノ門ニュースを毎日見ていると、右派と親和性の高いトランプ大統領に自然と親近感がわいていました。

歴代最高の大統領トランプ

ちなみに1期目のトランプ大統領は戦争を終結させ、自ら戦争を始めることはありませんでした。

こんなにも平和的な良い大統領が負けるはずがない(2期目はイランに戦争仕掛けているけど・・・)。

しかし、いざ選挙戦が始まってみると、思ったよりも苦戦します。

・・・予想外!なんで?

なぜこんな80歳を超えた老人で、セリフを言い間違えたりして、ひょっとすると痴呆になってるとも噂される人に苦戦するのだろう?

これはフィクサーがいるはず、と検索してみると出てくるQアノンとかエプスタインとか、マジかこの世界どうなってんの?という情報がバンバン出てきてしまいます

やっぱり、世界を支配するディープステートという存在がいるからなんだと一人納得していきます。

三浦春馬さん・竹内結子さんが巻き込まれる

本書の著者の主張に

「人は予想外の不幸が続くと、そこに何らかの陰謀(つながり)を見出そうとする」

とあり、まさにこの論理にのっとって陰謀論へと加速していく自分がいました。

同年7月に三浦春馬さん、同じく9月に竹内結子さんが亡くなってしまいます。

しかも死因が報道されている通りのものかは、はなはだ疑わしい不審な死。

輝かしい芸能生活の中、なんで死ぬ必要があったのか、今でも正直よくわかりませんが、

「これはディープステートにとって邪魔だから消されたんではなかろうか?」

と陰謀論界隈からの拡散が来ます。

確かに三浦春馬さんは映画「永遠のゼロ」(原作は百田直樹さん)に出演していたこともあり、右派の味方であり左派の標的でもあったはず。

また映画でも共演していた竹内結子さんとも何かあったのかもしれない、という憶測が飛び交いました。

ディープステートの存在

ちなみに陰謀論でおなじみのディープステートとは、いわゆる「黒幕」のことで、巨大な資本を持っていて、世界を完全に牛耳っています。

民主党(左派)とのつながりが強く、どの国のトップでも太刀打ちできないレベルの権力を持っているという話を信じていました。

一度妄信してしまうと、いろいろなことが疑わしく考えてしまいます。

例えば世界のトップオブトップの企業、グーグルもディープステートの手先でありその傘下だ、という話です。

その根拠も荒唐無稽なもので、悪魔崇拝を意味する「666」の数字がありますが、6を三つ重ねるとグーグルのマークになってしまうからなのです。

これもすべてディープステートにつながる手がかりなのだ、と信じてしまっていたのです。

他にもエプスタイン島で、子供の皮膚で作られた靴を履いている政府高官の写真があるとか、アメリカの選挙で使用される選挙用紙にGPSが仕込まれているとか・・・

加速する物語の時系列

トランプが選挙戦で苦戦

→バイデンおじいちゃんに対してそれはありえない。

→そういえば日本でも、三浦春馬さんと竹内結子さんが亡くなる

→順風満帆な人が立て続けに不審な死を遂げるのは偶然なのか?

→何か原因があるはず

→ディープステートが陰で何かしている!(Qアノンが流行っている時期でした)

→エプスタインはバイデンや息子のハンター・バイデン、クリントン元大統領夫妻など、政界の中枢と深いつながりがある。

→民主党はディープステートとつながっていて、選挙を操作しようとしている。

→中国から選挙の投票用紙の読み取りする機械を仕入れるという話がある

→郵便投票は不正の温床だ(これはトランプが言っていた)

→やばい、選挙が盗まれる!!

→バイデンジャンプ!?(不自然な得票)

→ほらやっぱりおかしいじゃん!!これは許せんっ!

→議事堂襲撃事件(もちろん日本から見てただけですが、彼らの行動は正義だと思っていました)

→大統領任命式(NHKで深夜4時ごろ生中継で見てました)

→あれ?何も起きねえじゃん

→騙されてたのか?

→正気に戻る

といった感じだったと思います。

物語が暴走する

人間は自分の都合のいいように点と点を繋いで『物語』を作ってしまう恐ろしさがある。これは「イン・ザ・メガチャーチ」で書いてあったことそのものだ!

勝手に物語が作られる!物語恐ろしっ!

過去の記事も参考にしてみてください→イン・ザ・メガチャーチの感想・陰謀論と元ネタの三浦春馬に関して。

とまあ当時を思い出しながら書いたら、時系列が少し違うところがあるかもしれませんが、こんな感じでしたね。

ちなみに三浦春馬さんと竹内結子さんはこの陰謀論の説得力を増やすための材料として名前が挙がってきただけで、それ以上真相に迫るような情報はありませんでした。

今振り返ると非常に申し訳ないのですが、ただただ陰謀論の演出に利用されただけでした。

まさに著者の主張通り、予想外の不幸から陰謀を見出してしまいました。ここは非常に納得です。

それにしても一度ハマると周りがなんと言おうが、正義は自分の中にあるし、それに気が付いていない人をどうにか目覚めさせないといけない、といった妙な使命感までありました。

今思い出すと本当に恐ろしいものですね。

メディアの「権威回復」という滑稽な主張

著者は「メディアや専門家の権威が失墜したから陰謀論が蔓延する」という内容を書いていますが、そもそも権威を落としたの原因はメディアそのもので、自業自得じゃないの?という疑問が出てきます。

ジャニーズ問題

国内のメディアに自浄作用はないことを証明した問題ともいえます。

なぜならこの問題をあばいたのがイギリスのBBCだったからです。

ちなみにジャニさんが裁判で負けたのは2004年2月で、BBCに暴かれた2023年までの約20年間、日本の大手メディア(なんとNHKも含む)はこの確定判決をほぼ完全に黙殺したのです。

「報道の自由とは、報道しない自由もある!ってことよ。

しかも、もちろんその判断基準は放送局にあり!

つまり自分たちに都合の良い報道してもいいし、しなくてもいい、それも自由だ!」

って、暗にそんなことをいう奴を誰が信じるのか。

ありのまま伝えないテレビ局に何の価値があるのだろうか?

これらが権威失墜の1番の原因なのに、一般人は情報を精査できないからデマだなんてひどい主張を繰り返す。

忖度もなく、都合が悪くても真実を伝え続けた先にあるのが「権威」じゃないのか?

もし、今もメディアに権威があり続けたら、陰謀論は無くなるかもしれませんが、テレビに騙される人ばかりになってしまいます。

でも誰も騙されたくはないのです。

権威あるところの話が聞きたいのではなく、真実が知りたいだけなのです。

慰安婦報道の捏造と謝罪

1982年以降に朝日新聞が慰安婦の強制連行(いわゆる慰安婦狩り)を長年取り上げましたが、実は吉田清二氏の証言は虚偽であったと2014年8月になって取り消しています。

さらに翌月に朝日新聞が正式に謝罪しています。

あれだけ慰安婦問題として国際問題にもなったのに実は嘘でしたなんて、そんな無茶苦茶な・・・

虎ノ門ニュースでもNHKと朝日新聞は目の敵にされていましたが、確かに朝日新聞はつぶれても良い会社だなと思いましたね。

これを見たら日韓関係において、癌を作った張本人と言っても過言ではありません。

自分の中の「偏見」と直面

著者が謝辞を送る「日本ファクトチェックセンター」への疑念

実は巻末で紹介されているファクトチェックセンターの人は元朝日新聞の記者さんです。

著者はそこに信頼を置いているとは・・・結局、考えてみると左派の復権のための本だったのではないか?

という疑問にとらわれてしまいました。

しかし、確認もせずに元朝日新聞社の記者さんだから疑わしい、というのは、これもまた陰謀論が覚めていない証拠ではないか?

真実が欲しいと言っていたのに、真実を確かめないで、先入観のみで物事を批判しようとしていたことにきがつきました。

仕方ない、ファクトチェックセンターの記事を読むか、と思いホームページへ。

すると

日本ファクトチェックセンターは「反日左翼」?それとも「自民党の犬」? 政府や自民党を標的にした偽・誤情報が増えているという背景【解説】

のような記事があるではないですか!

元朝日新聞の記者=嘘つきで半日左翼

と虎ノ門ニュースで刷り込まれていたことに気が付きます。

もちろん、こういった記事を書いておいて、実は反日左翼ではないか?といった疑問も消えなかったので、いくつか記事を読みました。すると

中道改革連合のロゴが中国の中革連にそっくり? 新党発表後に作られた偽ロゴ【#衆院選ファクトチェック】

といったようなことが書いてありました。

「中革連」がそもそも存在しないだとっ・・・!

知らない間に、立憲民主党=反日という図式が成り立っていました。

他にもいろいろと勉強になることが多かったのですが、未だに陰謀論に片足を突っ込んでいたことに改めて気が付きました。

色眼鏡を外したつもりでも、実は何重にも重ね着していたんだと。

もしかすると、前のよりましな色眼鏡になっただけなのかもしれません。大いに反省です。

是々非々で情報に向き合う

ではこの本が完全に真摯でフラットな良書なのか?

と言われればそうとも言い切れません。

例えば、トランプ前大統領を「陰謀論政治」という一言で片付けている点です。

確かに彼が陰謀論的な要素を利用したのは事実ですが、それは彼を構成する一部の要素に過ぎず、政策や支持された理由の全体像ではありません。


著者は前半で「人間は物事を単純に把握したがる」と解説していますが、皮肉なことに著者自身が「トランプ=陰謀論」という最も単純で分かりやすい(そして左派にとって都合のいい)物語で彼を定義づけようとしています。

陰謀論をうまく使ってアメリカ国民の半分を騙した、とでも言いたげな論調ですが、さすがにそれは現実を無視しすぎでしょう。

これはトランプが初当選したとき、予想を大きく外した左派メディアのスタンスによく似ています。

人類みなポジショントーク

結論として、私は著者が左派よりで、旧メディアの復権を目指すためのポジショントークを感じてしまいます。

情報を流してくれるメディアが、報道の自由を盾に、勘違いしそうになる事実の流布や、報道しない自由を行使する限り、信頼に足るものではありません。

しかし、ファクトチェックセンターのように真摯に真実に向き合ってくれている人がいることも事実なので、全くの嘘ばかりではないということも理解することができました。

最終的な結論

「情報はあくまで情報であり、完全に信じ込むことはやめる」

これに尽きると思います。

身近な人間関係のトラブルでさえ、当事者以外の人間が「真実」にたどり着くのは困難です。

例えば友人同士が仲たがいをしていて、その原因は何だったのか、真実を知ることができるでしょうか?

身近な友人の話を聞いても、二人言うことが違っていたり、勘違いがあったり、そもそも知らない情報があったりして、真実にたどりつくことができるのか考えてみると結構難しかったりします。

さらにそれが、詳しい友人もいないような政治の話だったりすると、その情報が真実かどうか判定するのは非常に難しいことに思い知らされます。

しかも情報を流しているのは営利活動をしている企業。

真偽の判定

その情報が真実かどうか、どうやって判定するのか。

答えは自分自身の主観しかないのではないでしょうか?

しかもその主観を形作るのは、今まで浴びてきた情報ですから、虎ノ門ニュースを見ていた自分は右派の意見、テレビばかりを見ている人は左派寄りの意見になるのは自然なことだと思います。

そもそも人から聞いた情報(報道機関を含め)が真実かどうかは、完全にはわかりっこないのだと気づかされます。

本当のような誤報、別の解釈を生んでしまうような事実、全くの嘘など、これらを並べて「真実だ!」「うそだ!」と断言してしまうことこそが、陰謀論への入り口なのかもしれません。

適度な距離をとる

それなのに、複雑に利権が絡み合う政治や世界のニュースの真実が、末端の私たちに簡単にわかるはずがないのです。

どんなに権威がある人が言おうと、どんなに論理的で魅力的に聞こえようと、所詮すべての情報は「また聞き」にすぎません。

それを疑いもなく信じすぎてしまうことの恐ろしさを、私は過去の経験から学びました。

「本当らしいな」「嘘かもしれないな」。 これからはそのくらいの一定の距離感を持って、どんな情報(物語)にも飲み込まれないように付き合っていこうと思います。

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この記事を書いた人

40代、妻子持ち、住宅ローンがっつりの自営業者です。

この場所は、私の好きなものと日々の思考を詰め込んだ、いわば「デジタルな書斎」です。

・こだわりの豆を自分で焙煎する、コーヒーの時間

・新しい知識や視点を与えてくれる、読書の時間

・日々の生活や仕事、趣味の試行錯誤を記す、雑記の時間

特定の枠にとらわれず、その時々の「自分」を素直に書き残していきたいと思っています。どうぞ、肩の力を抜いてお付き合いください。

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